活動史Archives

主催事業

2015年
8月

AIR『伝統芸能とモダンダンスのコラボレーション

  • 引率 韓国芸術総合学校舞踊院創作科 学科長 ナム・ジョンホ
  • 出演 同校出身・在学ダンサー、藤里町「上若郷土芸能保存会」、「志茂若郷土芸術会」
  • 入場料 無料

■ 藤里町公演

  • 日時 2016年7月22日(金)18:30開場 19:00開演
  • 会場 藤里町町民体育館
  • 来場者数 400名

■ 秋田市公演

  • 日時 2016年7月23日(土)17:30開場 18:00開演
  • 会場 秋田公立美術大学 アトリエももさだ
  • 来場者数 60名

秋田県にはおよそ350にも及ぶ伝統芸能がありますが、その中から「モダンダンス」との合同公演が可能な技術と表現力を持つものとして選ばれたのが藤里町の「駒踊り」でした。 韓国唯一の国立藝大であるソウル芸術総合学校のナム教授率いる4人のダンサーと一人の音楽家は、藤里町に一週間滞在し、現地で上若郷土芸能保存会のメンバーから「駒踊り」を習った後、その体験を元に新たな作品作りに入り、駒踊りの若衆とともに見事な創作ダンスを作り上げました。滞在制作の現地である町民3500人の藤里町の公演では400名を越す観客が押し寄せ、熱い拍手を送りました。

ワークショップ『韓国のリズムを体験する』

  • 日時 2016年7月30日(土)13:00~17:00
  • 会場 公立大学法人 国際教養大学 Suda Hall(多目的ホール)
  • 講師 韓国芸術総合学校 演戯科 教授 キム・ドクス
  • 参加料 大人 1,000円 学生無料
  • 参加者数 30名

韓国国立ソウル芸術総合学校から「チャンゴ(韓国の両面太鼓)の神様」と呼ばれ、世界的に高名なキム・ドクス教授を向かえ、4人の学生メンバーと共に「韓国のリズムを体験する」ワークショップヲ開催しました。 参加者は世界各国からの留学生を含む秋田県立国際教養大学の学生を中心に、サムルノリを愛好する市民が参加し、ドクス氏の指導の下、韓国独特の複雑なリズムを体験しました。

特別招聘公演『サムルノリ ~韓国の至宝キム・ドクスと韓国国立芸術総合学校学生による演奏会~』

  • 日時 2016年7月30日(土)13:00~17:00
  • 会場 秋田県児童会館 子ども劇場(けやきシアター)
  • 出演 韓国芸術総合学校 演戯科 教授 キム・ドクス、同校在学生
  • 入場料 無料
  • 来場者数 400名

公演会場にぎっしりと詰めかけたファンの熱い熱気を受けて、キム・ドクスさんは、普段韓国内でもめったに演奏しないソルチャンゴ(チャンゴの連弾)やソロ演奏を披露してくれ、集まった観客をさらなる熱狂の渦に巻き込みました。



2018年
10月

第1回『Asia Festival Exchange』助成/公益財団法人 韓昌祐・哲文化財団

  • 日時 2018年10月13日(土)18:00~ 同14日(日)13:30〜
  • 会場 秋田市にぎわい交流館AU多目的ホール
  • 出演 イ・ジヒ、イ・ダキョム、イ・ギョング
  • 入場料 前売り2,500円、当日3,000円、学生無料(高校生以下)
  • 来場者数 300名

『踊る。秋田』の提携フェスティバルである韓国SCF、同NDAから3つの作品を招聘し、公益財団法人 韓昌祐・哲文化財団の助成を受けて第1回「Asia Festival.Exchange」が開催されました。

韓国/イ・ジヒ Jihee Lee(韓国・ソウル国際振付フェスティバル・SCFより招聘)

作品名:Shadow Me ~二つのエゴ、そしてカオス、私たちは衝突して共感する~ 振 付:イ・ジヒ Jihee Lee 出 演:イ・ジヒ Jihee Lee 、キム・イェジン Yejin Kim 音 楽:Hidur Gudnadottir- Leyfdu ljosinu


作品紹介

私が信じていた、私の姿とは違うように映し出される私を発見する瞬間。私の信念を壊し、少しずつ変質していく私を発見する瞬間。私自身、自ら私を否定する瞬間。また、他の私と向かい合い衝突した時の心理を光によって様々な姿に映し出される影に当てこし、踊りで解いてみた。光はやがて、私に影響を与える、その何かを意味する。その光に見える、様々な姿の私は、実際の私の姿と異なるが、全ての瞬間、私はそこにいる。


プロフィール

Move Pocket Project代表。カリムダダンスカンパニー代表。漢陽大学兼任教授。 漢陽大学卒業及び同大学院博士課程。漢陽大学、漢陽大学社会教育院、ソウル総合芸術学校、忠北芸術高等学校へ出講。 〈受賞経歴〉 2011年 (社)韓国舞踊協会主催 若い振付家創作公演 優秀振付師 2015年 GDF 大学舞踊祭グランプリ作『夜明け』振付 2016年 忠北舞踊大賞 優秀作品賞 2017年 忠北舞踊大賞 大賞 2017年 (社)韓国舞踊協会主催 全国舞踊祭 振付賞、個人演技賞、銀賞 2017年 忠北舞踊大賞 芸術賞


カンパニー紹介

Move Pocket Projectは、振付家イ・ジヒを主軸に、動きに対する絶え間ない考察、主題に対する深みのあるアプローチで、嘘偽りのない作品を創ろうと努力している団体である。今の時代を反映する多様な素材を、振付家の独特な視線から描いて、独創的で夢幻的な象徴的イメージを通して表現している。ダンサー達の鋭敏なテクニックを上手く活用した、視覚的イメージと異色的で独特な動きは、この団体が追求しようとしている純粋芸術性の洗礼された感性美を更に引き立てている。

韓国/イ・ダキョム Dakyum Lee(韓国・NDA International Festival 2017より招聘)

作品名:Everything must be doubted 振 付:イ・ダギョム 出 演:イ・ダキョム Dakyum Lee、ハム・チョロム Chorom Ham


作品紹介

「世の中に当たり前は何も無い」という私の考察的疑懼(ぎく)点をベースに作品が始まった。考えず、疑わず無条件に受け入れ、生きて行く人間を表現しようとし、私達が考える社会が要求する当たり前に対し、キーワードを抽出し作品を構成している。


プロフィール

慶熙大学校 舞踊学部現代舞踊・慶熙大学校一般大学院 舞踊学科 卒業。 第4回仁川国際舞踊祭にて『Are You OK?』で最優秀賞を受賞し、現在若い振付家としての立場を固めている。2016年Festival SP (Daejeon) Dance Culture Forum 2016 にて「View-tiful」で New Artist of the Yearを受賞。2017年 NDA(New Dance For Asia )International Festivalにて「Everything must be doubted」で、『踊る。秋田』、International Comic Dance Festival (韓国)の二カ所から招待された。

韓国/イ・ギョング Kyung Gu Lee(韓国・NDA International Festival2018より招聘)

作品名:「A broom stuck in a corner」 振付・出演:イ・ギョング ドラマツルギ:チ・ギョンミン 照 明:Takashi SUMIDA 音 楽:<あ!牡丹峰(ノランボン)>—パクヒャンリム、<本当におまえは死ねない>—Space bar(編曲: チ ギョンミン)


作品紹介

本当は、多くの言葉を語りたかったし、躊躇せずに感情表現をしたかった。私から出る全てのものが君の懐に入れたらいいなと思った。しかし、私はあなたにとって、隅っこに押し込まれた麦袋と同じで、ただ自分の仕事を貪欲にするしかなかった。たまに、身体に穴があいたような突拍子もない怒りが流れ出す事がある。私はびっくり仰天して私の怒りを闇に葬る。同時に、刹那のミスを彼が発見してくれたらと思った。愛を知らず心も貧しいあなたに、非常に怒りを覚える日は、言いたくない言葉を言わなければいけなく、言いたい言葉は言えなくてもどかしくなる。彼の眼下で、懸命に私が出来る小さな事で一生懸命憎む。その小さな行為にすっかりハマっているとしたら、たまに私が私を連れて、知らない世界へ来ている気分になる。


プロフィール

コンテンポラリーダンスを基盤とし作品を創る韓国の舞踊団“GOBLIN PARTY“で振付家兼、ダンサーとして活動。振付作品の代表作品は、座・高円寺ダンスアワード招聘作であり、横浜ダンスコレクションで審査員賞を受賞した『A broom stuck in a corner』と、ソウル国際デュオダンスフェスティバルで最優秀作品賞を受賞し、東京の韓国文化院招聘作であり、SAI International Dance Festivalに招聘された『応答せよヒューストン』がある。観客とのコミュニケーションに一番重点を置くが、観客の時間を拡張出来る作品を創る為に絶えず努力し研究している。



2019年
9月

第2回『Asia Festival Exchange』

  • 日時 2019年9月6日(金)19:00~ 同7日(日)14:00〜
  • 会場 秋田市にぎわい交流館AU多目的ホール
  • 出演 E.DANNA、JJBRO×MOMURO、Kuik Swee Boon、TABATH
  • 入場料 前売り2,500円、当日3,000円、学生無料(高校生以下)
  • 来場者数 300名

第1回が韓国の二つのフェスティバルからの招待作品のみだったのに対し、第2回『Asia Festival Exchange』は、韓国SCF、同NDA、シンガポールM1コンタクトコンテンポラリーダンスフェスティバル、そして福岡ダンスフリンジフェスティバルの四つの国際ダンスフェスティバルから4作品を招聘して開催されました。

韓国/イ・セジュン Sejoon Lee(韓国・ソウル国際振付フェスティバル・SCFより招聘)

作品名:「That’s only world my life」 振付・出演:イ・セジュン、ユン・ダリュン アニメーション制作:Mong-e 衣 裳:E.DANNA 美 術・小道具:E.DANNA


作品コメント

世界は一発の核弾頭によって壊滅的な打撃を受けた。 その時、残された私達はどのように生きていくのか。 これは、あなたの想像を遙かに越える極限の世界。


フェスティバル・ディレクターからのひと言

E.DANNAの各メンバーは韓国の有名なストリートダンサー及び振付家である。彼らはこれまでの、ともすれば独りよがりで難解な表現に陥りがちなコンテンポラリーダンスの表現形式に疑問を持ち、直感的に観客の心に訴えかけるようなパフォーマンスを生み出そうとしている。私はこの作品を昨年のSCFで選んだのだが、彼らの新しい表現に心を動かされたディレクターは他にも大勢いて、彼らは結局世界五カ国のダンスフェスティバルに招聘された。

日本/岡本優(日本・福岡ダンスフリンジフェスティバル・FDFFより招聘)

作品名:「That’s only world my life」 振 付:岡本優 出 演:TABATH(工藤響子、柴田菜々子、四戸由香、岡本優) 映 像:中瀬峻介


作品コメント

“何もない””説明出来ない”ものを形にする実験。実験用ラット(ダンサー)に薬品や外部刺激を与え反応を見ていく。共通の説明書(振付)と各々にタスクを与え、ダンサー自身も実験を試みた。ダンスは形?肉体?ダンスとは何か?違和感から生まれた、私のダンスマニュアル。


フェスティバル・ディレクターからのひと言

岡本優をはじめとする4人のダンサーは正統派モダンダンスのスキルを持つ優れた踊り手達だ。にもかかわらず「全員めがねの爆発ダンス集団」というキャッチフレーズ通り、彼女たちは常にめがねをかけて踊ったり、とても奇抜な衣裳をまとうなど、いつも「正統」にあらがおうとしている。それはもしかしたら自分たち自身への節にいあらがいなのかもしれない。そしてその「あらがい」の中から、少しずつ新たな地平が見え始めている。私はその彼女たちの「あらがい」に大いに期待している。

韓国/アン・ギョム Kyum AHN(韓国・NDA国際ダンスフェスティバル・SCFより招聘)

作品名:「A MEAL TABLE」 振 付:イ・ガヨン、ソン・ソンヒ、ピョ・サンマン、アン・ギョム 出 演:JJBRO×MOMURO(イ・ガヨン、ソン・ソンヒ、ピョ・サンマン、キム・ヒョンホ)


作品コメント

「ミールテーブル」は現代社会における私たちの日常生活のミニアチュールです。日比野嘱託と労働の連続した繰り返しの中で、私たちが失ったものについて考えてみたいと思います。


フェスティバル・ディレクターからのひと言

JJBRO×MOMUROは、JJBROとMOMUROというふたつのダンスカンパニーのコラボグループである。JJBROは一昨年の「土方巽記念賞」のファイナリストとして秋田に来ているので、ご記憶の方もいるかもしれない。作品名の「A MEAL TABLE」は、あの懐かしい「箱膳」だ。私もはじめはただノスタルジックに観ていたのだが、しだいにそれが乱痴気騒ぎの様相を呈してきたかと思うと、やがて祭りの後の死を予感させる悲しい静けさが訪れる。朝鮮半島の伝統的旅芸人集団「男寺党(ナムサダン)」を彷彿とさせるような郷愁に満ちた作品である。

シンガポール/クイック・スイブーン
Kiuk Swee Been(シンガポール・M1コンタクト コンテンポラリーダンスフェスティバルより招聘)

作品名:「Pure」 振 付:クイック・スイブーン 出 演:アンシア・スィー、ビリー・ケオハボーン 音響デザイン・作曲:NGジン 衣 裳:ジャミラ・ロウ 照明デザイン:チャン・ガブリエル


作品コメント

『ピュア』は、家族と社会を両立させることの複雑さを検証します。私たちは自分の行動を決める自由を持っているにもかかわらず、他者との共存から逃れられない限り、否応なく社会の流れの中に引きずり込まれていきます。それは、社会形態や文化の違いにも関係なく、まったく同じものなのです。


フェスティバル・ディレクターからのひと言

Swee Boonの作品はいつも美しい。それはSwee Boonの作品作りにおける姿勢が、まさに”Pure”だからだ。しかし、その分だけ、いつ壊れてしまうかわからないもろさ、はかなさを秘めているようにも見える。そのもろさや、はかなさを、彼の作品の弱さとみるか魅力とみるかによって彼の作品世界は大きく様相を異にするだろう。もちろん、私はそれが彼の最大の魅力だと思っている。



共催事業
『踊る。秋田 Vol.1』2015年10月
『踊る。秋田 Vol.2』2016年6月〜11月
『踊る。秋田 Vol.3』2017年10月
『踊る。秋田 Vol.4』2018年10月
『踊る。秋田 Vol.5』2019年9月
『踊る。秋田 Vol.6』2021年5月


アーティスト・イン・レジデンス

2022年
5月

滞在アーティスト:下島 礼紗(ケダゴロ主宰) オンライン参加アーティスト:Wong Pik Kei 日  程:2022年2月14日(月) ~ 同月28日(月) 宿  泊:AIR HOUSE レッスン:AIR STUDIO


2019年の『踊る。秋田Vol.5』で上演した『sky』が認められ、2020年2月の香港ダンスエクスチェンジに招待されたケダゴロは、政治的緊張感の高まる香港の地で同作を上演。デモ隊と警官隊の衝突で騒然とする中、劇場に詰めかけた観客を興奮の渦に巻き込み、総員スタンディングオベーションの熱い支持を得た。 それを観ていたWongが下島との共同制作を熱く希望し、それを香港ダンスエクスチェンジ芸術監督のダニエル・ユンと当法人代表理事の山川三太が受け入れることで実現した企画。 本来であれば、Wongも秋田に来るはずだったのだが、コロナ禍による入国制限があったため、やむを得ずオンライン制作に切り替えて行われた。 例年にない大雪に見舞われた秋田だが、鹿児島県出身の下島礼紗にとってはそれが刺激的な体験となり、作品制作の緊張感を否応なく高めることになった。 この作品は未だに形を成していないが、2022年8月には下島が香港に渡り、同地で2週間の滞在制作を行った作品を仕上げ、その成果を2022年9月の香港ダンスエクスチェンジで発表する。

AIR STUDIOでのレッスン風景
下島が宿泊していたAIR HOUSE
 
 
2022年11月30日に秋田で上演される『ビコーズカズコーズ』の先行上映会